真宗　照蓮寺研究

ここでは内ヶ嶋氏とは切っても切れない関係にあった「照蓮寺」について徹底研究します。中野御坊と呼ばれた「照蓮寺」ですが昭和になって御母衣ダムの建設と同時に中野地区にあった照蓮寺はダムの底に沈む運命となりました。この照蓮寺がどのような運命をたどってきたのか？また白川郷、あるいは飛騨にどう、関わってきたのか？古老の話も参考にしながら調査研究したことなどを書いていきます。

現在の照蓮寺は高山城の二の丸にありますが、元々は白川郷の飯島（白川村）にあり、飯島から中野（現・高山市荘川町）に移り、その後、高山に。　元あった中野の照蓮寺は現在、御母衣ダムに寄って水没しています。　中野の照蓮寺、、、現在、荘川桜のある場所の下あたりになります。　古写真を見ると水没前の照蓮寺は普通のお寺のようですが、おそらく戦国時代の照蓮寺はそれはもう立派な寺院だったと思われます。　この照蓮寺、白川郷の総本山とも言えるピラミッドの頂点に立つお寺で飛騨一円に末寺や道場を抱えている巨大寺院でした。また照蓮寺は蓮如や顕如率いる本願寺とも密接に繋がっており、多くの文書も残っています。時の権力者（戦国大名等）も無視できない存在であった照蓮寺は時代に翻弄されることになります。そんな中、照蓮寺が起こってから最終的に高山城二の丸に移築されるまでの約400年・・・・・照蓮寺というお寺には色んな多くの謎があります。　内ヶ嶋氏とも共存、対立もあった照蓮寺の謎を内ヶ嶋氏にも絡めて調査研究しながら一点でも多く、解いていきたいと思います。

先日、新聞にミズバショウの記事が載りました。　その場所は岐阜県高山市荘川町にある「山中峠」という荘川町と郡上市明宝の境にある標高1300ｍの峠、「山中峠」です。　ここは水芭蕉の群生地として有名で私も新聞記事を見て明宝経由で荘川まで山中峠を通ってミズバショウも見てきました。　今回、重要なのはミズバショウではなく、新聞記事にあった戦国末期の記述。。。

荘川町黒谷にある浄念寺の住職の話として、、、

戦国末期、1585年夏、この地を金森長近の軍勢が攻めてくる（いわゆる飛騨攻め）ということでこの浄念寺も照蓮寺の末寺であったので色々な心配をしたのでしょう。お寺の大切なもの、寺宝をよそのお寺に移そうということになり、この山中峠を越えて向かいの明宝の道場に移した、というのです。

ところが移した先の明宝の道場が、なんと天正大地震で被災し川がせき止められてダム湖ができ道場ごと水没してしまったらしい。。。せっかく移した寺宝も水没してしまい見つからないまま120日後、桐の箱に入れてあった寺宝が浮かんできた、、、こんなドラマがあったそうです。

さて、こんな話の中にもたくさんの疑問があります。

・何故、移した先が明宝の道場だったのか？

・金森軍が攻めてくるコースは分かっていたのか、分かっていなかったのか？

・夏に移した寺宝が同年11/29の天正地震まで置かれたままになっていたのはなぜ？

・移した先の道場とはどこ？

山中峠や浄念寺の位置関係

　寺宝を移した先の道場が天正地震で水没したという事実から明宝周辺で地震によって水没した場所を調べてみると今の明宝「奥明方」（おくみょうがた）という地区であることがわかりました。　奥明方一帯が水没したとすればこの地域にあるお寺を探せばいいのでは？と見つかったのが下のMAP、赤線の一番下にある「蓮浄寺」。　このお寺ではないのか？と私は想像してみました。最終的には浄念寺さん、あるいはこの蓮浄寺さんで聞取り調査を行うつもりです。

　荘川にある浄念寺から寺宝を移す先が山中峠を越えて何故明宝なのか？　明宝の道場なら安全であるという確信があったのかどうか？また、この峠を金森軍は通らないであろうという通知がすでにあったのか？この辺は謎のままです。

　金森軍が白川郷に入ってきたのは1585年の夏のことです。　内ヶ嶋VS金森は初戦、牧戸城で戦ったあと金森軍は二手に分かれています。ただ、このコースが文献によって若干違いがありはっきりしていません。　ただ、牧戸と浄念寺とはせいぜい4kmほどの距離で非常に危険な場所であることは確かです。　そして移した寺宝は金森軍が入ってくるよりも前のことになりますが、寺宝が無くなってしまった天正地震は1586年1月半ばのことです。　すでに金森軍は高山に引き上げ、敗れた内ヶ嶋氏も金森長近に詫びを入れ、許されて帰雲城に戻っています。120日後に浮かんできたと言われる寺宝ですが何故、夏に預けたものを年明けまでそのまま放置したのは何故なのか？　戦争状態が終わってすぐに引き取りに行けば寺宝は天正地震に遭遇することもなかったはず・・・。

聞取り調査で答えが出るのかどうか？楽しみです。